設立メッセージ
一般社団法人八大学工学系連合会の設立にあたって
我が国において、明治初期に世界に先駆けて工学部が設立されて以来、工学は、時代の変遷とともに「西洋技術と文明の導入」、「技術の国産化」、「高度経済成長の駆動力」、「世界の科学技術の牽引」等の様々なミッションを担ってきました。この間、北海道大学、東北大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の工学部・工学系研究科・研究院は、我が国の工学教育・研究を牽引する原動力としての大きな役割を果たしてきたところです。このような中、戦後まもなくこれら大学の工学部の長が集まって八大学工学部長会議が設立され、工学教育研究に関する情報の共有、課題や問題点についての議論を続けております。
近年、大学院重点化や法人化などの相次ぐ制度改革が行われ、今またミッションの再定義やイノベーションの観点からの大学改革が議論されるなど、工学教育・研究を取り巻く情勢は急激に変化しています。そこには、博士問題、教育改革、グローバル化対応など諸問題が山積しています。
そこで、私ども八大学工学系ではこれら変革期の諸課題に総合的に対応するため、平成24年から八大学に属する9工学部、25研究科・研究院で連合会を構成し、情報共有と課題の抽出を進めてきました。この度、この活動母体を、「一般社団法人八大学工学系連合会」として法人化することにより、確かな主体性を持って、諸課題の解決意思の共有、社会や産業との直接的な対話の促進、八大学工学系からの意見や提言の発信などを進めることによって、我が国における工学教育、学術研究、科学技術の発展に貢献して行きたいと考えております。
皆様のご理解とご協力、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
平成27年4月
一般社団法人八大学工学系連合会会長